連理の銀杏(秋田県能代市二ツ井町)

(みかべのよろい:秋田県能代市二ツ井町)

=真澄記=

仁鮒の七倉の麓で舟を降りた。坊寿と言う深い森に、「五舎」(阿弥陀佛、薬師、観音、せいし、地蔵)の柱を崇めている。

鳥居があって、谷陰に連理の銀杏の大木がある。三本の大銀杏が連なったものだ。一本は本嬬木(もとめ木)と言って乳房が垂れている。女が乳の出を祈るそうだ。石室があったので拝んだ。雄木の大枝が男根の形をし、ここに参る夫婦、親子とも眼をそむけているのが可笑しい。