粕毛不動の滝

(しげき山本 :秋田県能代市)

=真澄記=

藤琴に戻り、不動明王の滝を見に粕毛川を遡った。

川沿の村を見下ろし、また川を渡って岸に上り、淵を危なげにたどって不動尊の堂に来た。「青黒山」の額がある。黒がねでささやかな剣を作って梁に並べている。あるいは穴の開いた石をかけて紙を結んで、麻糸をかけて手向けている。

滝のふもとに行けば、白糸を沢山かけたように水が落ちている。この滝の中に路があって、短いかたびらを着けた男が行に行く。